赤と青のえんぴつ

分野にこだわらず、気になったことについて机上の空論を繰り広げたい。

無策で英検を受験し,順当に落ちました

 以前,TOEFLを受けに新幹線で数時間かけて会場に行ったのに,パスポートを忘れて受験できなかった,という同僚のエピソードがあまりにも鮮烈すぎて,「英語の資格受験したいなぁ」という考えが頭の片隅に残っていました.

 医療というのは日進月歩であり,医療職である以上,日々自己研鑽に励まなければならないのは事実なのですが,大学を卒業してからのこうした勉強は,試験は基本的にないため,学習した成果を実感しにくく,「久しぶりに試験受けてみたいなぁ」という考えも頭の片隅に残っていました.

 

 2023年2月,この残留思念が僕に英検の参考書を買わせました.

 

 英検の経験は,中学校の時に取った準2級が最後.TOEICは大学1年生の時に英語の授業の免除のために結構頑張ったのですが,条件は満たせずに終わりました.英語というものは本当に苦手で極力関わらないようにしていました.ただ,英語の論文を書いたり読んだりする機会は今後増えるし,将来海外留学する可能性もゼロではないので,このままの関係ではいけないという気持ちもありました.

 

 準1級にした明確な理由は,1級は厳しいけど,10年ぶりに満を持して受けるのが1ランクアップじゃちょっと…という弱気と虚栄心の併存ゆえです.

 

 ここから書かれるのは,ただただ怠惰な男の愚かな1年間の振り返りなので,英検の勉強法などといったタメになる情報は一切期待しないでください.

 

 まず,買った参考書は.『英検出る順パス単』と『DAILY25日間 英検準1級 集中ゼミ』という1日30分×25日で1次試験の内容を学習できるという総合教本です.前提知識として必要な語彙数が多いということしか知らなかったので,まずは単語だろうと思い,単語帳を買い,総合教本で試験の全容をつかもうという算段です.

 

 単語を覚えること自体は嫌いじゃなかったので,1ヶ月ほどである程度読みこみ,『Anki』という忘却曲線に沿って出題してくれる単語帳アプリを日課にしていました.

 しかし,うってかわって総合教本の方はというと.単語帳と違い取り組もうとすると手間がかかるから,やる気が出ず全然進みませんでした.

 今回の事象において,何より,「勉強しているのを誰にも言わなかったこと」これが1番良くなかった.「堂々と宣言しといて落ちたらダサいな」っていう気持ちがあったんでしょう.そのプライドが本当によくなかった.一緒に受験する,ではないにしても,誰かにやっていることを伝えるだけでもモチベーションの維持には繋がったでしょう.

 

 話はもどしますが,英検は,以下の4つの能力を測ります.

リーディング:語彙と長文読解

ライティング:社会的なトピックについてエッセイを書く(2級以上)

リスニング:会話文やパッセージ,アナウンスなどを聞く

スピーキング:2次試験での面接

 

 総合教本でどういう問題が出るのかを確認し,自分に足りないところを分析した結果,リスニングとライティングの力が足りないな,と判断し,追加で参考書を買いました.
『英検分野別ターゲット英検準1級リスニング問題』『英検準1級ライティング大特訓』

 これを買ったのが,2023年4月.

 ここから更に減速します.

 Ankiは引き続きやっていました.それって結局Youtube観ながらでできるからなんですよね.

 リスニングは聴かなきゃいけないからそれができない.7月くらいまで忙しかった記憶はあるので,おそらく8月くらいから1週間で4,5ページダラダラやっていました.

 ライティングに関しては,そもそもどのように学習するのかに困りました.ディスコースマーカーの使い方とか動詞の使い分けとか本で学ぶことはできますが,こればっかりは実際に書いてみてのフィードバックありきだろうと思っていたのです.

 色々考えた末に,ChatGPTに添削をお願いしました.学習させるとかなり精度はよくなりそうですが,ただ単に添削をお願いするだけでも,スペルのチェックだけでなく,文章展開の改善案も提示してくれるので,結構有用でした.おそらく今回の記事で有益な情報はここだけです.

 ただ,Twitterはいくらでも呟けるのに,この120〜150字の英文はどうしてもやる気がでない……リスニング以上に筆が進みませんでした.

 

 

 

 話は一気に2023年11月に飛びます.

 7ヶ月何をしていたのか,何を得たのか,正直全く成果の実感がありませんでした.今振り返るとなぜ1回でも実戦形式で模試や過去問をやらなかったのか謎です.

 英検は年度ごとに3回試験が行われるのですが,その3回目の申し込み締切が11月でした.来年度以降に持ち越すのはさすがにないだろう,と思い,3回目を申し込みました.これで尻に火がつくかなって思ったんです.

 

 

 

 気づいたら年が明けていました.私の着けた火は1月にようやく尻に到達しました.

 初売りの時にようやく買ったのが,『英検準1級 過去6回全問題集』です.いや〜遅すぎ.

 正直リスニングとライティングも伸びた実感がないに,残り20日で合格まで……?正直いけない気しかしなかったのですが,申し込んだ以上はやるしかないかと思い,20日でなんとか6回分を行いました.しかし,6回分過去問を解き,リーディングは全て合格基準を超えていたのですが,リスニングが合格基準を超えたのは6回中2回でした.しかも,時間を測って問題を解く経験がなかったせいで,ライティングの英文を書く時間が意外とないことにこの直前にようやく気づいたのです.

 

 

 もう絶望しかなかったですが,試験当日は嫌でもやってきました.会場の中学校を訪れると自分以外高校生しかいませんでした.そういえば,共通テストで民間試験の活用うんぬん言っていたな……などと思いながら,高校生の集まりに何故かいるおじさんになるしかありませんでした.

 

 本番,語彙問題は大丈夫だろうとタカをくくっていたのですが,わからない問題が結構あり困惑しました.出る順パス単が,直近の過去問を参考にしているので,”解けている感”だけが出ていたんですよね.

 もうすでにボロボロの状態で長文を乗り越え,満身創痍でライティングまでたどり着き,何とか書き終えて見直すと,上限の150単語をがっつりオーバーしているのに気がつきましたが,もう残り5分もありませんでした.苦し紛れに文末に(146 words)と書いて終了となりました.

 リスニングは練習通りの実力を出せて,お話になりませんでした.

 

 

 試験が終わっても,頑張ったわけでもないため,全く開放感はなく,ただただ「俺は何をしたかったんだ」という気持ちだけがうずまいて,帰路につきました.

 

 

 後日,自己採点をしたら,リーディングはギリギリ7割,リスニングは5割だったので,2次試験に進むことはまずないでしょう.本当に俺は何をしたかったんだ???