経緯
エヴァンゲリオンの完結でTwitterのタイムラインは盛り上がっていました。これだけ長く続いた作品、アニメの黎明期から共に歩んできたと言っても過言ではないでしょう。長い人では四半世紀も追いかけた作品が終わるっていうのは相当感慨深いんだろうな、って思います。
中学からの友人もエヴァを追いかけていた1人でした。中学から追いかけて今や社会人です。仕事の有休を取って、公開初日朝7時からの上映に行っていましたし、午後にもう一回観ていました。
見終わった後の彼は、もぬけの殻みたいになっていました。
と虚無になっていました。
その友人から、何度もエヴァを観るように誘われてはいたのですが、重い腰が上がらず、観る気になっていませんでした。しかし、こんなにも人々の心を動かす姿を見ているとさすがに気になります。
この手の作品はおそらくハマった時に映画で観なかったことを後悔する。でも、今から新劇場版の序破Qを全部観ようとしても、多分上映期間が終わってしまう。
もういいや!最初から完結編を観よう!!
予め知っていた知識
さすがに10年ぐらいネットサーフィンしていたため、1ミリも知らない、というわけではありません。私が予め知っていることは、
- 主要キャストの顔と名前は一致しているはず
- アニメ版、旧劇場版、新劇場版がある
- シンジがゲンドウに急にエヴァに乗れ、と言われて使徒との戦いに巻き込まれる中での、思春期特有の葛藤を描いているのかな〜
- 使徒が敵で、ロンギヌスの槍が大事っぽい
- 前にセカンドインパクトがあって、サードインパクトが来る?
- 人類補完計画がやばい
- 最低だ、俺って…
- おめでとうのシーン
- なんか物語に関わってきそうな眼鏡の女いなかったっけ?
- 中学生の時に金曜ロードショーでチラッと観た『今日の日はさようなら』のシーンが怖すぎてすぐに観るのをやめた
- エヴァQの飲み会のコピペ
- ミサトがシンジに醤油を飲ませてくる
- ミサトがシンジに大人のキスをしてくる
- ミサトはエヴァじゃなくてエバーって言ってくる
ぐらいです。
じゃあ、観に行ってきます。
こ
こ
か
ら
`ネ タ バ レ 注 意
観た感想
冒頭、これまでのエヴァンゲリオンを紹介してくれた。ファンならあーはいはい、と流すところだと思うのだが、自分にとっては貴重な情報なのでめっちゃ集中して観てました。
結論から言うと、僕は面白く観られました。まあ、こんなろくに過去作品観てない立場で面白くないとか言えるわけないですけどね。
「あっ、もうサードインパクト起きているどころか、ニアサーみたいなフランクな略し方されているんだ、しかもフォースまで起きているんだ」とか、「この人綾波レイじゃないの?!」とか、「ネルフって味方側じゃないの?」とか、「黒き月って何やねん」とか、恐らく当たり前なことを知らずには来ているんですが、雰囲気から察するか、理解を諦めるかで何とかしました。
シンジ、アスカ、綾波、ミサト、ゲンドウぐらいのしかキャラとして立ち位置を把握していなかったので、いろんなキャラがどのくらいの重要な立ち位置なのかもわからないで観られたのもある意味、群像劇みたいで楽しかったです。
綾波の6体目?のクローンが首が飛ぶのも、6体目ともなると皆慣れているのかもしれないですが、急にくるやん!!ってびっくりしてました。あと0%だから無限大に近いという理論もよくわかりませんでした。
あと、ゲンドウが元々何をしたかったのかを知らなかったので、亡くした妻の幻影を追いかけているのはわかったのですが、何をどうして人類を集める?みたいなことして達成されるのかがわかりませんでした。シンジくんが止めに行った時、えっ!?結局リセットしちゃうんですか!!?ってなりました。
ストーリー部分はどうしても理解できない部分も多かったのですが、ニアサー騒動でなんかやらかしたシンジくんが自身と対峙して前を向いていき、そして避けられていると感じた父と向き合い気持ちをぶつけていき、全てをやり直した、みたいなまとまりかたしてんのかな~って思いました。エヴァによって葛藤したシンジくんが最後エヴァの無い世界で前を向いていく終わり方も好きです。
映像や演出は本当にすげ~って見とれていました。まさに「こういうのが好きなんでしょ…?」の詰め合わせって感じでした。雑魚戦の蹂躙の仕方は全パターンやってんのじゃないかってくらい多様で、女二人で黒き月に投入するくだりもプリキュアみたいでかっこよかったです。
未完成の方が強いとか、最期ぐらい仕事させてくださいみたいな下りとか、最終決戦で(恐らく)これまでの映画で出てきた場所が出てくるところとか、再構成の目前にあえて絵コンテにしたり、リセットという意味でアニメ版や旧劇場版含めたこれまでの映像を巻き戻したりするメタ的演出とか、私でも受け取れる描写があったので、ファンにとっては色んな演出が洪水のようにやってきていたのでしょう。
配られていた紙に色んなキーワードが書かれていたのですが、さすがに私には全てを理解することはできませんでした。ファンの方々は全てのピースがつながるかのように理解できているのでしょう。カタルシスがすごいんじゃないかって思います。
うん、いい作品でした。
エヴァファンの友人に報告
青字:後日調べて補足してくれました
友「今回の作品はエンタメ性高いから単体でも面白かったと思う、あと言っておくけど、Qまで見ていたとしても、よくわかんないもんはよくわかんないから」
(サードインパクトあたりの流れを説明される)
私「あーじゃあ、作品を見ててもニアとかサードインパクトの下りよくわかんないんだ」
友「まあそうね」
私「じゃあQの飲み会コピペってどういうことなの?」
(説明を受ける)
私「なんでミサトさんは『何もしないで』の時、ちゃんと説明してあげなかったの?」
友「そういう脚本を書かなかった監督が悪い」
『何もしないで』は、シンでの描写から「シンジに罪と向き合わせたかった」というのもある気がしていて、後はクルーの総意で絶対載せるわけにはいかないみたいなフェーズだったんだろうな。普通人間何十億も殺したテロリストが目の前にいてみんな優しくできるか?あと、「ちょうど敵が来てたので説明する暇なかった」
(Qまでのあらすじ聞く)
私「なるほどなぁ」
友「第三村あたりはすっと入るでしょ?」
私「急に専門用語入ってくるとやめて!ってなったけどね」
友「知らん」
ハイカイは「ネルフと呼応して、南極を目指していた」という説がある
友「俺の好きなシーンは『どうしてこんなにやさしいんだよ!』の流れですね」
私「じゃあ、君も仕事でやらかした時にはそういってもらえ」
友「友達がああいう状態だったら真っ先に切るけどな」
私「うーん薄情」
私「首輪っていうのはそもそもどういう役割なの?」
友「サードインパクトの時の暴走を繰り返さないための自爆装置」
私「あーじゃあカヲルくんもそれで死んだの?」
友「Qでカヲルくんがシンジくんの首輪を外した後に、自分につけたんだよね」
私「なんで?」
友「ここはなんで禁止」
DSSチョーカーの件、Qでカヲルくんが自分につけた理由は、シンジと2人でエヴァに乗ることになるが、もし覚醒してヤバくなりそうだった時に爆破して死ぬ役は自分が受け止める、ということ。「覚醒リスクは僕が引き受けよう」とかいう台詞と共に装着していたので
私「シンジくんって今いくつ?」
友「14歳」
私「サードインパクトから14年経っているんだよね?」
友「エヴァの中だと年を取らないんだよね、アスカも年を取ってないのを『エヴァの呪縛』って言っていたけど、これは説明されてなかった」
私「うーん」
シンジくんが今14歳というのも難しいところであり、そもそも破で覚醒した後、エントリープラグの中に分子分解されて溶け込んでいたようなものなので、14歳の少年が一晩寝てたら14年経っていた、という感じ
エヴァの呪縛はマジで説明されなかったが、Qで一晩寝てたら14年経過したことを知らされたシンジくんがアスカに邂逅した時、でもアスカ見た目変わってねえじゃん→そう、エヴァの呪縛という下りがある、ただそれだけ
私「コックピットにいたピンク髪の女ってどういうキャラ?結構関わってきていたけど」
友「モブ」
私「まじ!?」
私「白い雑魚エヴァめっちゃ居たけど敵陣営2人でも量産体制が整っているんだね」
友「そういうこと考えるのはやめよう」
私「13号機のATフィールドのくだりがよくわかんないんだけど」
友「13号機は本来ATフィールドを持たないんだけど、出てきた、つまり新2号機が13号機を恐れてでてきたATフィールドなんだよね、そこでアスカは自分を使徒化することでそれを中和することにした」
私「そんな理科の実験みたいなことできるんだ」
私「碇ゲンドウは何であんなことになったの?」
友「ネブカドネザルの鍵ね、あのワード自体は破から出てきていた。でも、何のアイテムかわからなかったんだよね。で、使ったらああやって人を捨てるらしい」
私「これは監督が伏線を回収した感を出すために無理やり出したわけではない?」
友「んなわけねえだろ、やめろ」
私「で、なんだかんだあってシンジ君がエヴァに乗る、と。まあピンク髪の人がもめていましたけど」
友「あの状況だと撃っている場合じゃないよな、シンジが乗るしかできることないのに。ミサトさんもあそこで身を呈すくらいなら最初からやさしくしてほしかったよね」
私「マイナス宇宙って何ですか?」
友「わからん。なんでマリさんは8号機がマイナス宇宙に適応できるのかもわからん」
私「『マイナス宇宙へ』って作品はあるんだね」
私「量子テレポートの下りは?」
友「あれ、カービィのボス戦みたいだったよな」
私「おもろ」
私「なんでエヴァ降りるときに謎の穴が開いていたの?」
友「マイナス宇宙だからね」
私「なんで8号機降りた先が直通で初号機なの?」
友「マイナス宇宙だからね」
私「なんでマリさんは色々してようやくマイナス宇宙で存在できたのに、なんでシンジくんは生身でいけたの?」
友「マイナス宇宙だからね、まあ、半分人じゃないからでもある」
友「すまんここらへん理解が追い付いていない」
私「じゃあ何を信じればいいの」
マリがマイナス宇宙で生存できたのは、パリカチコミ作戦で入手したパーツでゴリゴリに強化したから+ヴンダーに取り憑きジャックした黄色のエヴァ(アダムスの器)を食って、その力を手に入れたから
私「13号機との戦闘で出てきたのは、やっぱりこれまでに出てきた場所なの?」
友「そうだね、あの場面は特撮のスタジオみたいに転換していっているよね」
私「なんか建物軽くね?って思ったんだよね、はーそういうことか」
友「ゴルゴダオブジェクトにいるエヴァンゲリオンイマジナリーを媒介にしてアディショナルインパクトをおこすと世界を書き換えられる?」
私「?????」
友「観ている皆も制作している皆も疑問形だからセーフ」
私「えっカヲルくんってループしているんだ」
友「知らなかったの?前からループ説は考察されていたからだろうなって感じだったな」
私「ちょっと初見だとそこまで読み取るのはきついっす」
友「カヲルの夕暮れの海のシーンはアニメ版で二人が初回に会ったところなんだよね」
私「観てないからわかんないなぁ」
友「アスカのシーンは旧劇場版のラストだし」
私「観てないからわかんないなぁ、そういうのは長年のファンたまんないだろうなぁ」
友「シンジくんはエヴァンゲリオンイマジナリーによってこの世界をフィクションの世界として書き換える高次的な存在になることに皆をハッピーエンドにしたんじゃないかなぁ、わからんけど」
私「何となくメタ的な展開っていうのは察していたけど、そういう感じなのかぁ。だからあのあたりの場面展開が急だったり、周りに小道具が置いてあったりしたのかな」
私「なんで神木隆之介でてきたの?」
友「あそこで初めて声変りをした=大人になったってことだろうね、かつてのシンジ君なら『胸のでかいいい女』とか言わないし、マリの手を引っ張っていくわけもないしね」
友「そうやって大人になったシンジ君が俺らに向かって『行こう』って言ってきてエンディングになるんだよ」
友「ドローン視点の映像はは最初CGっぽいのに、どんどん現実っぽくなっていくんだよね
友「総括すると、シンジくんはエヴァのいない世界に作り替えて、この世界に着陸したんだろうね」
私「じゃあ君もエヴァのない世界に駆けださなきゃいけないね」
友「ホントそれ…」
最後に
上の会話をするのに、2時間半かかりました。もはやもう一回映画観られるくらいです。これだけ語れる作品があるというのはやはり羨ましいですね。
友人も言っていたように、一応過去作品を観ていなくても、全く意味がわからない、というわけではなく、ある程度は飲み込んで観ることができました。まあ、エヴァ好きの人の解説はどこかで必要だとは思いますが…