赤と青のえんぴつ

分野にこだわらず、気になったことについて机上の空論を繰り広げたい。

根拠のない励ましは正しいのか?

   明日でセンターまであと100日です。そろそろ受験シーズンです。

   大学受験っていうのは、そう何度も経験することではありません。やっぱり、どんなものかわからない分、大学受験は恐ろしいものです。

 

   私には、頭の良い友達がいました。彼は数学物理がとてもできて、クラス、学年の皆が一目置いていると言っても過言ではないくらいでした。

   秋頃、彼は某旧帝大のAO試験を受けました。AO試験っていうのは、簡単に言えば、机に向かってガリガリするだけではなく、それを使って総合的に考える力を試すものです。一般試験より一足先に彼が受験という戦いに立ち向かったのです。

   AO試験が終わって、彼は「終わった…絶対無理だ…」と言っていました。周りの人たちは「○○は頭いいんだから、イケるって!」と励ましていました。

 

   確かに、彼はすごく頭はいいです。しかし、AO試験でそれがうまく活かされるかと言われるとそれはわかりません。少なくとも、定期試験で求められるものと、AO試験で求められるものは、それほど合致しないのは事実でしょう。

 

   AO試験においては「頭が良いから受かるだろう」は根拠のない励ましです。もしも落ちた場合、彼のダメージはどうなるだろうか…普通に落ちた場合よりもダメージが強くなるのではないか。そう思いました。後のことを考えるとその励ましは無責任なんじゃないかと思います。

   

   彼は、私にも同じように報告してきました。私は「お前は頭がいいから落ちても一般でなんとかなる、とりあえず今は勉強しよう」と言いました。

 

   その後、彼はAO試験には落ちてしまったものの、一般試験で無事、第一志望に合格しました。

   もしも、AO試験に合格していたら、私の励ましはただ不安をあおるものだったのではないでしょうか。もしも一般試験で不合格だったら、私の励ましもまた、根拠のない励ましだったのではないでしょうか。しかし、こればかりはなんとも言えません。なぜなら、私は大学受験の経験不足ですから。